かつてはセレブや富裕層のものとされていたボトックス注射が、いまアメリカで“普通の美容習慣”として広がりつつあります。
「特別な美容医療」から「日常のセルフケア」へ――ボトックスの“ミドルクラス化”が進行中です。
ボトックス=当たり前?年1000万件超えの人気ぶり
アメリカ形成外科学会によると、2024年にはボトックス施術件数が年間約1,000万件に到達。
これは2019年からほぼ倍増という驚きの伸び率です。
高級クリニックだけでなく、郊外のメディカルスパやショッピングモール内の美容施設でも受けられるようになり、
「ネイルやフェイシャルと同じ感覚でボトックスに通う」人も増えています。
SNSが後押しする“美の透明性”
この広がりを支えているのが、TikTokやInstagramなどSNSの存在です。
インフルエンサーやセレブたちが、自身のボトックス体験をオープンに共有することで、
かつてあった「隠すべきこと」「年齢を気にする人のもの」といったネガティブな印象が薄れつつあります。
#BotoxRoutine や #BabyBotox といったハッシュタグは数百万回再生され、
美容整形がよりカジュアルな選択肢として受け入れられてきています。
美容院感覚で通えるボトックス
ボトックスはもはや「若返り」のためだけのものではありません。
「若く見せたいわけじゃない。疲れて見えないようにしたいだけ」
― アシュリーさん(35歳・テキサス州オースティン)
最近では、月額メンバーシップ や 初回限定割引 なども登場し、
予約不要の“ウォークイン施術”まで可能な施設も増えています。
急成長の裏にあるリスク
しかし、急激な人気拡大の裏には、いくつかの懸念も。
- 無免許の施術者による安価なサービス
- 注入ミスによる表情の不自然さや麻痺
- 「シワのない顔=美しい」という固定観念の拡大
これらは安全性だけでなく、美容観の多様性や倫理性にも関わる問題として、専門家からも警鐘が鳴らされています。
これからの美容のかたちとは?
“ボトックス=中流層のセルフケア”という新たな価値観は、
今後の美容業界や社会全体の「美の基準」にも影響を与えていくかもしれません。
ウェルネスと美容の境界が曖昧になりつつある現代――
アメリカでは今、そんな「美とケアの交差点」に立つトレンドが進行しています。


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