2025年夏、アメリカではトランプ政権のもとで、ロサンゼルスやワシントンD.C.に続き、シカゴなど主要都市に国家警備隊を中心とした「連邦部隊」が配備される計画が進められています。
一見すると「治安対策」に思えるこの動きですが、実はアメリカ社会で大きな論争を呼んでいます。では、何が問題なのでしょうか?
そもそも「連邦部隊」とは?
「連邦部隊」とは、大統領の命令によって都市や州に派遣される軍事組織を指します。
主な構成は以下の通りです。
- 国家警備隊(National Guard)
各州に所属する軍事組織で、本来は州知事の指揮下にあります。災害対応や暴動鎮圧に出動することが多いですが、大統領が必要と判断すると「連邦化」され、国の軍として動くことになります。 - 正規軍の一部(陸軍・海兵隊など)
通常は国外任務や国防に従事しますが、大統領命令で国内任務に投入される場合もあります。ただし法律上、直接的な治安維持活動には関与できません。
つまり「連邦部隊」とは、州の軍を大統領が国の軍として動かす特殊な形態であり、国内で展開されることは極めて異例です。
1. 法律的なリスク
アメリカには ポッセ・コミタトゥス法 という法律があり、連邦軍が市民の治安維持に直接関与することを原則禁止しています。
州兵(National Guard)は本来、州知事の指揮下で動く組織ですが、大統領が一方的に「連邦化」して都市に派遣する今回のケースは、憲法違反の可能性があると専門家や野党から強い批判が出ています。
地方自治を無視した「連邦の権力乱用」とも受け取られています。
2. 政治的な意図
トランプ大統領は「治安悪化」を派遣の理由にしていますが、シカゴなどでは実際に犯罪率が減少しています。
こうした状況から、民主党側は「危機を捏造している」と指摘し、選挙を前にした政治的パフォーマンスではないかとの見方が広がっています。
「強いリーダー」を演出するために軍を投入するやり方に、懸念の声が高まっています。
3. 市民生活への影響
実際に配備が行われた都市では、銃を持った兵士が街を巡回する異様な光景が広がっています。市民からは「まるで戦時下のようだ」という声も。
また、デモや集会の自由が抑圧される可能性があり、アメリカの根本的な権利である言論・表現の自由が脅かされる懸念も指摘されています。
さらに、警察と軍の役割が重なり、現場の指揮系統が混乱するリスクも存在します。
まとめ
アメリカ各地への連邦部隊配備は、
- 法的な越権行為の可能性
- 政治的パフォーマンスの疑念
- 市民の自由と安全への影響
という三重の問題を抱えています。
日本に置き換えるなら、「首相が自衛隊を東京や大阪に送り込み、デモや治安維持に当たらせる」ようなイメージに近く、極めて異例の状況です。
この動きは今後もアメリカ社会に大きな波紋を広げそうです。


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