アメリカにはなぜ1ドル硬貨と1ドル紙幣が両方あるのか?

1 dollor coin and bill アメリカのトレンド

日本では、同じ額面の硬貨と紙幣が併存することは珍しいですよね。しかしアメリカでは、「1ドル硬貨」と「1ドル紙幣」の両方が存在しています。一見不思議に思えるこの現象には、歴史的・文化的・経済的な背景があります。

1ドル硬貨の歴史

アメリカの1ドル硬貨は実は19世紀から存在しており、最初に登場したのは1794年の「フローニング・ヘア・ダラー」。しかし、その後長らく主流ではなくなり、一般に流通する機会は少なくなりました。

1979年には再び「スーザン・B・アンソニー・ダラー」として硬貨が復活しますが、紙幣との併存やサイズの問題などからあまり定着しませんでした。その後も「サカガウィア・ダラー」(2000年〜)や「大統領ダラーシリーズ」(2007年〜)など、さまざまな1ドル硬貨が登場しています。

紙幣が依然として主流である理由

アメリカ人の多くは依然として1ドル紙幣を好んで使っています。その理由は次の通りです。

  • 馴染み深い:1ドル紙幣は20世紀初頭から広く使われており、国民にとっては長年親しみのある存在です。
  • 軽くて扱いやすい:財布に入れやすく、チップ文化にもマッチしています(アメリカではチップとして1ドル紙幣を使うことが多い)。
  • 販売機などの対応:古くからの自動販売機やレジが紙幣に対応していることが多く、硬貨は入らないこともしばしば。

硬貨を普及させたい政府の思惑

実はアメリカ政府は、コストの面から硬貨の普及を望んでいます。紙幣は平均寿命が約5年程度なのに対し、硬貨は30年以上使えるため、長期的にはコスト削減になります。

しかし、いくら政府が1ドル硬貨を推しても、国民の「紙幣のほうが便利」という意識を変えるのは容易ではありません。そのため、現在も両方が流通している状態が続いています。

他国との違い

たとえばカナダやイギリスでは、すでに1ドル(もしくは相当額)紙幣を廃止し、硬貨に一本化しています。日本でも500円紙幣は廃止され、硬貨だけが流通しています。

アメリカも硬貨への一本化を模索した時期がありましたが、強い国民の反発や流通インフラの都合により、完全移行には至っていません。


まとめ

アメリカに1ドル硬貨と1ドル紙幣が両方存在するのは、「政府のコスト削減の意図」と「国民の利便性・慣習」のバランスの結果です。将来的には硬貨への移行が進む可能性もありますが、しばらくはこの“二重体制”が続きそうです。

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