「アメリカでは患者が薬を自分で選んで医者にリクエストするらしい」
そんな話を耳にして、不思議に思ったことはありませんか?
実はこれ、本当です。しかし、「誰でも自由に好きな薬を使える」という意味ではありません。
そこには、アメリカ独自の医療文化と処方薬CM制度の違いが関係しています。
この記事では、日本との制度や文化の違い、そして最も重要な「最終的に処方を決めるのは誰か」という点まで、わかりやすく解説します。
アメリカでは処方薬のCMが日常にある?
アメリカに滞在したことがある人なら一度は見たことがあるかもしれません。
「○○という薬は、あなたの症状をやわらげるかもしれません。医師に相談を」
そんな処方薬のテレビCMが、ドラマやニュースの合間に流れてきます。
これは「DTC広告(Direct-to-Consumer Advertising)」と呼ばれる制度で、製薬会社が一般消費者に直接宣伝できる仕組み。アメリカとニュージーランドのわずか2か国のみで合法とされています。
テレビ、雑誌、ネット、YouTubeなど、どんなメディアでも薬の広告を目にすることができるため、患者が薬の名前を知っていても不思議ではないのです。
自分の体は自分で守る。患者主体の医療文化
アメリカでは「医療=サービス」という考え方が根付いており、患者は受け身ではなく自ら選び、判断する存在とされています。
- 複数の治療方針から選ぶ文化
- セカンドオピニオンが当たり前
- 医師と「対等に話す」ことを重視
こうした背景から、患者が「この薬を試してみたい」「CMで見た○○が気になる」と自分の希望を医師に伝えることは一般的なのです。
でも最終的に決めるのは「医師」
ここで大切なのは、患者が薬を「選ぶ」ことはできても、「決める」ことはできないという点です。
- 処方薬は医師の診断がないと手に入らない
- 患者のリクエストがあっても、医師が不適切と判断すれば処方されない
- 保険の適用状況によっては、別の薬を提案されることもある
つまり、患者の希望は「参考意見」であり、最終的な決定権は医師にあります。
アメリカでもこれは厳然としたルールです。
日本ではなぜ薬のCMがないの?
一方、日本ではテレビで処方薬のCMを見ることはありません。
これは、日本の薬機法により、医療用医薬品の一般向け広告が禁止されているためです。
- 処方薬は医療従事者にのみ宣伝が許されている
- 一般の人が薬を選ぶ文化はなく、医師の判断を重視
- 国民皆保険制度により、無用な薬の使用を抑える仕組みになっている
このように、日本では「薬は医師に任せるもの」という考え方が主流で、患者が薬を選ぶ機会はほとんどありません。
比較まとめ:薬を選ぶ自由と責任
| 項目 | 日本 | アメリカ |
|---|---|---|
| 処方薬のCM | 禁止 | 合法(DTC広告) |
| 患者の役割 | 医師の判断に従う | 情報収集し、希望を伝える |
| 処方の決定権 | 医師 | 医師(患者の希望を参考に) |
| 医療文化 | 医師主導 | 患者主体(Shared Decision Making) |
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おわりに:薬の「選択」は自由でも「判断」は専門家に
アメリカでは、薬の情報が身近にある分、患者が希望を口にする機会が多いのは事実です。
しかしそれは、あくまで医師との「対話の入り口」に過ぎません。
最終的に薬を選ぶのは、診断と専門知識を持つ医師。
この「選ぶ自由」と「責任の分担」が、アメリカの医療を支えているのです。


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