いまアメリカのテック系・アウトドア系コミュニティで注目を集めているのが、「Meshtastic(メシュタスティック)」というオープンソースの無線通信プロジェクトです。携帯の電波もWi-Fiも必要ないのに、メッセージのやり取りや位置情報の共有が可能という、まさに“オフグリッド時代”のためのツールとして人気が高まっています。
スマホなしで通信ができる?
Meshtasticは、LoRa(ローラ)という省電力・長距離の無線技術を使い、インターネットや携帯電話回線を使わずにデバイス同士が直接通信できるネットワークを作ります。
たとえば山奥で携帯の電波が届かなくても、Meshtasticのデバイスが近くにあれば、仲間とチャットや位置共有ができるというわけです。
なぜ今、注目されているの?
Meshtasticという名前は、「Mesh(メッシュネットワーク)」と「Fantastic(すばらしい)」を組み合わせた造語です。
プロジェクトは2020年、アメリカのソフトウェア開発者ケヴィン・ヘスター氏によって始まりました。携帯やWi-Fiが使えない環境でも、誰もが自由に通信できる手段を──という思いから、オープンソースの形で開発が進められてきました。
今では世界中のユーザーと開発者が参加するコミュニティが形成され、アウトドアや災害対策、IoTなど多方面で活用が広がっています。
特に2024年以降は、以下のような背景から急速に注目されるようになりました。
- 災害時の通信手段としてのニーズ
- アウトドア人気の高まりと“電波のない場所”への関心
- 政府や企業によるインフラの制限に対するカウンター的存在
- DEF CON(世界最大級のハッカーイベント)などでの導入実績
また、RedditやGitHubなどのコミュニティでは開発者・キャンパー・ガジェット好きなど、さまざまな人々が情報交換を行っており、ユーザー数は数万人規模にのぼるとも言われています。
誰が使っているの?
主なユーザー層は以下の通りです:
- ハイカーやキャンパーなどのアウトドア派
- 災害対策の一環として備える家庭や自治体
- イベント時の通信インフラとして導入する主催者
- インフラのない地域で通信手段を確保したい人々
- IoTやガジェット開発が趣味のDIY層
Meshtasticは特に、アメリカ西海岸や中西部など、電波が届きにくい山岳地帯で人気が高く、リュックにぶら下げて持ち歩く人も増えています。
スマホアプリで簡単に使える
Meshtastic対応デバイスは、スマホとBluetoothで連携して使うのが一般的です。メッセージ送信やGPSの共有、ルートの記録などが簡単にでき、通信範囲にある他のデバイスを介してリレー(中継)も可能。**まるで“インターネットのないLINE”**のような使い方ができます。
日本でも入手可能です。
アメリカで広がる“通信の自立”という思想
このようなテクノロジーの背景には、インフラへの依存を減らしたいというアメリカ独特の思想も見え隠れします。災害、山火事、停電、政府による通信制限…さまざまな非常時に「自分たちで通信網を作れる」ことは、安心と自由を意味します。
Meshtasticは、単なるガジェットではなく、そうした“テック・サバイバル文化”を象徴する存在として広がりつつあるのです。


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